ティーマ・別注マグ「STARA」…スラングに注目

STARAとは?

STARAは、ヘルシンキ市の公営企業です。

主な業務は、学校や公園などの公共施設の建設・整備、道路のメンテナンス。
さらに、自然環境(森林や沿岸部など)の保全管理も行っています。

なんと、ヘルシンキ市の地上部およそ1/3は緑地。その約70%をSTARAが管理しています。
地元民、観光客ともに愛されるエスプラナーディ公園やカイヴォプイスト公園も、
STARAの管轄です。

また、STARAは、市が所有する重要建築物の修理・修繕プロジェクトも担当
進行中の大規模なプロジェクトとしては、ハカニエミのマーケットホール改修工事があります。
伝統的な建築ノウハウと最先端技術とを融合し、歴史的建築物の継承に貢献しています。

STARAは、ヘルシンキの都市環境整備に関わる重要なパートナーといえますね。

車体のドアに「STARA」の文字。
エスプラナーディ公園では早くもクリスマスデコレーションの準備が始まっていた。
2018年10月撮影

このマグを深ボリ!

パッと目を引く、ブルーとグリーンの爽やかな配色。
建物や道路、木々の絵柄から、STARAの業務内容がイメージできます。

ぜひ注目したいのは、この絵に書かれた文字
ヘルシンキ市のエリア名が、スラングで書かれているんです。
これらのエリアはSTARAの管轄だ、ということを表しているんでしょうね。

スラングと正式名称との対応をまとめてみました。
マグに載っている15個のスラングが、どのエリアを指しているか見ていきましょう!

MANSKU = Mannerheimintie(マンネルヘイミンティエ)

「救国の英雄」とも称されるマンネルヘイム元帥の名を冠する、市内中心部の大通り。
観光客にとってもおなじみの、ストックマンデパート、FORUM、国立博物館、キアズマ現代美術館がこの通り沿いに位置します。キアズマ美術館の脇には、マンネルヘイム元帥の大きな銅像が立っています。

HIETSU = Hietaniemi(ヒエタニミ)

ビーチ、広大な墓地を有する、ヘルシンキの西部エリア。
墓地にはフィンランドの著名人が多く眠っています(マンネルヘイム元帥、トーベ・ヤンソン、アルヴァ・アアルト)。

墓地を抜けて海のほうへ歩いていくと、散策路があります。ジョギングしたり散歩したりすると気持ちいいですよ。リフレッシュに訪れたお気に入りの場所です。

KRUNIKKA = Kruununhaka(クルーヌンハカ)

フィンランドの中枢エリア。大統領官邸、首相官邸などの政府機関市庁舎、国立図書館、ヘルシンキ大学(本部)といった学術機関があります。アイコン的存在であるヘルシンキ大聖堂もここ。

重厚感のある歴史的建造物が多いエリアですが、多くの通りから海を臨めるため、港町の解放感を感じることができます!

ESPA = Esplanadi(エスプラナーディ)

街の真ん中にある遊歩道であり、公園。夏になると、芝生の上でくつろぐ人を多く見かけます。
毎年5月中旬~下旬には、マリメッコの屋外ファッションショーが開催されます。

SKATTA = Katajanokka(カタヤノッカ)

スウェーデン語でこの地を指す”Skatudden”から生まれたスラング。
このエリアを地図で見ると橋で接続された「島」なのですが、katajanokkaの名が表すように、元々は「岬」「くちばし」(nokka)でした。19世紀に小さな運河が掘られて、島に分断されます。玉ねぎ形ドームが目を引くウスペンスキー大聖堂が、かつての岬の付け根に位置しています。

フィンランドの公用語は、フィンランド語とスウェーデン語です。
地名も二か国語で表記されます。

STEISSI = Rautatieasema or Helsingin päärautatieasema

一般的には鉄道駅を意味するスラングですが、ヘルシンキで”STEISSI”という場合は、とくにヘルシンキ中央駅のことを指します。

ELTSU = Eläintarhan kenttä(エラインタルハン ケンッタ)

Taka-Töölöエリアにある、ヘルシンキ初の多目的屋外競技場。1910年にオープンしました。
“Eläintarhan kenttä”を直訳すると「動物園競技場」。
しかし、このエリアに動物園があった事実はないとのこと。

ROOPERI = Punavuori(プナヴォリ)

スウェーデン語でこの地を指す”Rödbergen”から生まれたスラング。
PunavuoriもRödbergenも、red mountain(赤い山)という意味です。今は舗装されて見えませんが、赤い山という地名は、このエリアにあったred cliff(赤い壁)に由来しています。
ここはヘルシンキ・デザイン地区の中心となるエリア。ギャラリーやデザインショップも多く、人気のイラストレーター、Matti Pikkujämsä(マッティ・ピックヤムサ)さんのアトリエもありますよ。

プナヴォリに住む友人は、道路工事で赤い岩石が露出していたのを見たそうです!このエリアは周りと比べて標高が高いので、まさにred mountainということですね。

FREDA = Fredrikinkatu(フレドリキンカツ)

この通りの南側は、一つ前に紹介したPunavuoriにかかっています。
この通りの北端にあるのが、「岩の教会」と称されるテンペリアウキオ教会。

BULE = Bulevardi(ブレバルディ)

フィンランド語でブールバール(ブールバード)を意味するBulevardi。
ブールバールの代表例、フランスのシャンゼリゼ通りと比べると道幅はだいぶ狭いですが(笑)、道の両脇に植えられた街路樹が美しい通りです。カフェ・エクベリや、後に説明するオールドチャーチ公園があります。

RUUTIS = Ruttopuisto = Vanha kirkkopuisto

“rutto”はペストの意味で、直訳するとペスト公園
1710年の秋の大流行時、1185人が埋葬されました。墓地としての利用は1829年に終わりますが、現在でも墓石を確認することができます。
公園にあるVanhakirkko(オールドチャーチ)は、ヘルシンキに現存する最古の教会(1826年完成)。ガイドブックでは、Vanha kirkkopuisto(オールドチャーチ公園)と紹介されることが多いです。

街の中心にある白い教会…って、これがあのヘルシンキ大聖堂?!
と引越し当初に勘違いしたのは私です(笑)。時は12月、周りが暗かったので、しょうがないしょうがない。

HAGIS = Hakaniemi(ハカニエミ)

スウェーデン語でこの地を表す”Hagnäs”から生まれたスラング。
ハカニエミのマーケットホールが有名なエリア。

KURVI = Sörnäisten kurvi

“kurvi”はカーブの意味。
HämeentieとHelsinginkatuが交差するカーブそのもの、そのカーブを含むエリアを指します。
メトロのSörnäinen駅があるエリアですね。
ここは、ドラッグの売買、アルコールの密売など、治安が悪いエリアと言われることがあります。しかし昨今では、ヒッピーなエリアとしても注目されており、小さくておしゃれなレストランなども増えています。

FLEMARI = Fleminginkatu(フレミギンカツ)

クリーニングデーはとくに賑わいを見せるKarhupuisto(クマ公園)から、ほぼ真北に伸びる通り。

BRAHIS = Brahen kenttä(ブラヘン ケンッタ)

Kallioエリアに位置する屋外競技場。
Helsinki Wolverines(アメフト)とHIFK Bandy(アイスホッケー)のホームフィールド。
冬になると、芝の競技場に水を撒いて製氷し、広いスケートリンクに変えます。


公営企業のマグにスラング、というのがいいですよね。
地域に密着した企業であることをよくアピールしていると思います。

ぜひヘルシンキ観光の際は、市内各所で活躍するSTARAの姿を見つけてくださいね。

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